生活保護法とは、生活が苦しくて不自由している人のために最低限の暮らしを助けて保障するために規定された制度です。

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)

ポイント女

生活保護制度を受けるには、条件があります。また、生活保護を受けることによって私生活が多少制限されるのであらかじめ把握しておくと良いでしょう。

生活保護制度の条件

生活保護制度は、以下の4つの項目をすべておこなっても生活に困窮している方が受けられます。

資産の活用

売却すれば生活費の足しになるような資産(土地・不動産・生命保険・自動車)や預貯金はすべて生活費に優先することが条件となります。また、20万円を超える金額の貯金は資産としてみなされます。

能力の活用

本人、または世帯全員の中で働くことができる人がいれば働くことが条件となります。同居している家族が働ける環境にある場合は、生活保護の受給対象外となります。

あらゆる制度の活用

年金や母子手当など、手当を受けられそうなものに関しては申請をして手当を受けることが条件となります。手当を受けても生活が苦しい場合は、生活保護の受給対象となります。

扶養義務者の扶養

親族等から援助が受けられる場合は援助を受けることが条件となります。生活保護を受ける前に、身内から援助が受けられるかを相談してみましょう。

生活保護を受けるには様々な条件があり、申請をしたからといって簡単には受給できません。ただし、申請を受けたら国(福祉事務所)は申請を受理して調査をする義務があります。

調査とは、生活状況の調査・資産調査(預貯金・生命保険など)で、原則14日以内最長30日以内に調査結果のもと生活保護の受給可否について回答されます。

※生活保護の申請から受給されるまでの期間で生活費がない方は、社会福祉協議会の「臨時特例つなぎ資金貸付」を利用できる場合があります。

生活保護の制限

生活保護を受けている人は以下の項目に制限があります。

  • 臨時収入
  • 貯金
  • 生命保険
  • 住宅購入
  • 自動車購入

生活保護を受給すると、福祉事務所から配属されるケースワーカー(生活保護担当者)に自身の収入などを申告する義務があります。生活保護は資産となるようなものは、原則として持たないことが条件で受給を許可されています。

ストップ

したがって、臨時収入・預貯金・積み立てタイプの生命保険・住宅購入・自動車購入は資産になるため認められません。

また、それらの収入を隠したり、少なく見積もるなどの虚偽申告があった場合には「不正受給」となり受給の停止・減額・返還が求められます。

※生活保護受給者はカードローンなどで借入もできません。

生活保護の支給額

生活保護支給額は、個人ではなく1世帯につき支給されます。また、地域ごとに「級地」というものが決められていて、住む地域によって「生活保護基準」は異なります。

あらかじめ級地によって定められている生活保護基準よりも世帯収入が低い場合に限り、その不足分が生活保護費として支給されます。

生活保護支給額

生活保護支給額 = 最低生活費 − (年金・児童扶養手当等による収入)

最低生活費 =(年齢 × 世帯人数)+ 加算額(母子・障碍者・養育費)+ 扶助費用(住宅・教育・介護・医療)

生活保護の支給額は、最低返済額から収入を引いた金額の扶助が受けられます。また、年齢や世帯人数、家庭環境、地域に応じて最低返済額が変わってくるので支給額は申請者によって異なります。

生活扶助基準額の実例 

3人世帯(35歳、28歳、5歳) 東京都区部在住 158,380円
高齢者単身世帯(67歳) 東京都区部在住 79,790円
母子世帯(31歳、5歳、3歳) 東京都区部在住 188,140円

このように世帯構成によって支給額がことなります。母子世帯は自動養育費が加算されるため支給額が多くなります。

どのような給付が生活保護では受けられるか

生活保護では以下の8つの扶助が状況に応じて必要な範囲で受けられます。

生活扶助

日常生活に必要な費用で、食費や被服費、光熱費など
※生活扶助の中には一時扶助もあり、受給世帯の中で入院した人がいる場合は入院中にかかる経費が該当する。

住宅扶助

賃貸アパート等の家賃・敷金礼金・契約更新時の費用・修繕費など
※火災保険や共益費・管理費はふくまれません。

教育扶助

義務教育を受けるうえで必要になる給食費・修学旅行費・教材費など

医療扶助

医療サービスの費用
※医療費の場合は現金が支給される訳ではありません。福祉事務所から「医療券」を発行してもらいます。

介護扶助

介護サービスの費用
※現金の支給ではありません。また、介護扶助を受けるには「要介護・要支援」の基準を満たしていることが条件になり、それを証明する書類も提出する必要があります。

出産扶助

出産にかかる費用
※決められた範囲で現金の支給がおこなわれます。

失業扶助

就労に必要な技能の習得に関わる費用
※義務教育を終えた子どもが高校進学や大学進学にかかる費用も該当する

葬祭扶助

葬祭費用
※火葬費用・納骨費用など

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生活扶助以外の扶助は福祉事務所や生活保護担当員に相談して申請などが必要になるので注意しましょう。

はじめての生活保護Q&A

養育費を元旦那からもらっている場合でも生活保護を受給できますか?
養育費を配偶者から受け取っていても生活保護の受給が可能です。

養育費を配偶者から受け取っている場合でも生活保護の受給が可能です。ただし、養育費を収入として必ず申告する必要があります。養育費が収入に加算されたうえで受給額が決まります。


生活保護の受給中にアルバイトはしても良いですか?
生活保護の受給中にアルバイトをしても問題ありません。

生活保護では、働くことが可能な人は就労する義務があります。アルバイトをして得た給料を収入申告して、収入が生活保護基準額を超えなければ生活保護の受給は継続できます。しかし、生活保護基準額に足りない分が支給額になるので、アルバイトをすると支給額は減額されます。


生活保護受給者が車を持つことは可能でしょうか?
原則的に不可能です。

車も資産としてみなされるので、生活保護を受ける前に売却するなどの処分が必要です。したがって、車を持つことは不可能になります。ただし、障害がある方の通勤や通院に必要であれば車の保有を認められる場合があります。